アメリカ人の人種による収入分布
みなさんは、アメリカにおいて人種によって収入が異なることをご存知でしょうか。
さらに言えば、どの人種が一番稼いでいるかをご存知でしょうか。
アメリカ合衆国国勢調査局が提供しているデータを基にまとめてみました。
この記事は中島聡さんのメルマガ「週刊 Life is beautiful」の、米国のUpward Mobility(社会的流動性)に関する記事を読んで、アメリカ人の収入分布はどのようになっているのか気になったのがきっかけです。
結論
- 人種によって収入分布の様相は大きく異なる
- 意外にも?アジア人に裕福な人が多い
- 日本よりもお金持ちがたくさんいる
人種別の収入分布
こちらは2019年の人種別の世帯収入のデータを10個の分布で集計したものです。(出典)
なお、すべてのグラフで縦軸はパーセンテージ、横軸はドルを示しています。また、人種は混血は含んでいません(調査の人種の定義)
アメリカ人全体
年20万ドル以上稼ぐ人も多い一方で低所得者層も多いことが分かります。とはいえ人口の10%の人が20万ドル以上稼いでいるのはすごいなと思います。
ヒスパニック系
低所得者層が多いです。人口の3分の1以上が4万ドル以下で暮らしていることが分かります。
アジア人
高所得者が多いことが分かります。生活費が違うのは分かっていますが、アジア人の半数以上が10万ドル越えプレーヤーというのは、驚きです。
まして、米国にいるアジア人の、5人に1人は20万ドルもらっているわけです。
黒人
ヒスパニック系よりも低所得者層、特に年2万ドル以下で暮らしている人が、5割弱を占めます。
私にはこの結果は想像以上にショックでした。
白人
アジア人ほどではありませんが、高所得者も多いことが分かります。
ただ、その一方で、半数弱の人が6万ドル以下で生活しているというのも注目に値するかとも思います。
ちなみに日本は?
厚生労働省の2019年度の調査によると、下記のようになっているそうです。
2000万円以上を超える人がアメリカに比べると圧倒的に少ないのことが分かります。
もちろん物価を考慮していないので単純比較はできませんが、貧しくないですか?
お金持ちがいないのに、皆貧しいのです。国民総中流の中流が左にシフトしている感じです。
注意点
上記の米国の人種別のグラフは、人種別の百分率です。
つまり、人種別の貧困層の割合は分かりますが、絶対的な人数はまた異なる、ということです。
具体的には、年間の収入が2万ドル以下の人種別の構成比はこのようになっています。
見て分かる通り、白人が一番多いです。
同様に、年収入20万ドル以上の人も、白人が多いです。
移民の国とは言え、白人が67%(2018年)を占めるので当然かもしれません。
まとめ
上記ヒストグラムで見てきたように、人種によって差があります。
それではこの傾向は昔から変わっていないのでしょうか?
アジア人といっても、どこの国の出身なのでしょうか。
どうしてこのような差が生じるのでしょうか。
次回以降で調べていこうと思います。
参考
今回使った全データです。ご興味があればお使いください。(Google SpreadSheetが開きます)